ワールドカップの熱狂を経て~新たな日本ラグビーの時代が始まる~

日本のラグビー界にとって、重要な転換点となった2019年ラグビーワールドカップ日本大会。ワールドカップを招致した当時は、日本のようなラグビー弱小国で開催すべきではない、という批判的な声も多くありました。しかし彼らはその批判を、史上初の決勝トーナメント進出という結果で黙らせました。それは長い間苦難の時を過ごした日本ラグビーの歴史を塗り替える大事件となりました。

世界に見せつけられ続けた実力の差

日本のラグビーは実に100年以上の歴史を持ち、競技者数は2018年の時点で世界第6位とされています。しかし、その歴史は世界に実力の差を見せつけられ続けた、苦難にまみれたものでした。

日本はワールドカップに、1987年におこなわれた第1回大会から全て参加しています。しかし勝ち星はわずか1勝しかあげられませんでした。それも相手は、ワールドカップで一度も勝利したことがないジンバブエです。

そして第3回のワールドカップでは世界最強チーム、ニュージーランド代表と同じグループに入り、予選で戦うことになります。結果は145対17、128点という記録的な大差で敗北を喫したのです。この時代のasiabetのようなブックメーカーは、いったいどれほどのオッズをこの試合につけていたのでしょうか。おそらく天文学的な数字だったことは間違いありません。それほど、世界のトップとの差は大きかったのです。

アジアの強豪として新たな時代へ

しかし第8回となる2015年イングランド大会。日本は強豪南アフリカ代表に勝利します。そして今回のグループリーグ突破によって、ついに世界の強豪たちと同じステージに日本は立ちました。それは、日本ラグビーの新しい時代の幕開けでもありました。

世界中から賞賛を浴びたワールドカップにおける日本代表の活躍。それは日本のラグビーリーグ、トップリーグにも大きな影響を及ぼしました。世界中から尊敬を集めることになった日本ラグビーに、多くの世界的な選手が集まって来るようになったのです。神戸製鋼に加入したニュージーランド代表のブローディ・レタリック。サントリーに加入したオーストラリア代表サム・ケレビ。その他多くの有名トップ選手がトップリーグでプレーします。日本ラグビーのレベルを更に押し上げることになり、そして日本ラグビーは新たな時代に突入します。そう、ワールドカップ優勝を目指す時代へと。